Safety Data Sheet
弊社商品のSDSを掲載いたします。掲載されているSDSは、正式な交付によるSDSと分別するため、すべて表題に「閲覧用」と記載しております。
SDSの正式な交付方法は、直接の販売者からの手渡しが原則です。
弊社と直接お取引いただいておりますお取引様よりご購入されたお客様は、お取引先様から入手いただいたものが正式なSDSとなりますので、購入先までご用命いただくよう、お願いいたします。
労働安全衛生法(以下「安衛法」という。)においては、化学物質等による労働災害防止を図るため、化学物質等の危険有害性の周知を行うこととされ、安衛法第57条の2において文書(安全データシート)交付規定が義務規定として設けられている。
国際的には、2003年に引火性、発がん性等の危険有害性の各項目に係る分類が行われ、その分類に基づいて、絵表示や注意喚起語等を含むラベルや化学物質等安全データシート(安全データシート=SDS:Saftety Data Sheet)を作成・交付すること等を内容とする「化学品の分類及び表示に関する世界調和システム(GHS:Globally Harmonized System of Classification and Labelling of Chemicals)」が国際連合から勧告として公表された。
このGHS勧告を踏まえ、表示・文書交付制度を改善した改正安衛法が2006年12月1日施行された。改正安衛法では化学品の危険有害性情報の伝達方法として、ラベル・作業場内の掲示及び安全データシート(SDS)と指定化学物質等が規定されている。2012年4月には労働安全衛生規則(以下「安衛則」とする)が改正され危険・有害とされるすべての化学物質についてラベル表示及びSDSの交付が努力義務化され、2016年6月の安衛法改正ではラベル表示やリスクアセスメント実施の義務化など制度対象が拡大した。
なお、液化石油ガス(以下「LPガス」とする)の含有成分では指定物質としてブタン・ペンタンが対象となっていたが、2017年3月1日にエチレン、ブテン(ブチレン)、プロペン(プロピレン)が追加されている。
改正安衛法の表示・文書交付制度の具体的な実施方法として、JIS規格も改正を重ね任意規格から法規制に整合するよう整備・統合され、2019年5月にGHS改訂6版に準拠したJIS Z 7252及びJIS Z 7253GHSに基づく化学品の危険有害性情報の伝達方法-ラベル、作業場内の表示及び安全データシート(SDS)が発行された。
LPガス業界においては、この文書交付制度に基づきSDSを作成・使用する際、業界内の一体化と周知徹底を図ることを目的として本基準を作成している。本基準は、上記国連文書の改正や安衛法及び政省令改正に対応するため、各種データ更新等を行うことにより、本基準を改正してきた。
本基準の適用範囲は、日本LPガス協会「LPガスの品質に関するガイドライン」(以下「ガイドライン」という。)に基づき、現在国内で流通する一般的なLPガス及びLPガスに含有される化学物質に係るSDSの通知対象物質、通知対象者、標準様式等について作成方法や使用方法を記載する。
この基準の作成時点において確認されているLPガス含有物質で、安衛法施行令第18条の2及び別表第9にて通知対象物となっている化学物質は以下の通りである。
ブタン :1wt%以上
ペンタン :1wt%以上
エチレン :1wt%以上
ブテン(ブチレン) :1wt%以上
プロペン(プロピレン):1wt%以上
メタノール :0.1wt%以上
なお、混合物としてのLPガス含有成分には上記指定物質以外にもプロパン及びエタンが含まれ、これらの可燃性ガスは危険物として安衛法施行令・別表第1にて指定されている。また、危険又は健康障害を生ずるおそれのある物質として文書交付の努力義務が規定されている(安衛則・第24条の15)。更に、ガイドラインではこれらの物質以外にも、管理基準の設定された物質や物質が特定されていない残渣分なども含有するが、規制基準の閾値未満のためSDSには記載しない。
SDSの作成者は、LPガスを製品として出荷する製造者又は輸入者(以下「供給者」とする)が作成する。
安衛法ではSDSの作成者に関しては明確な記述は無いが、第57条の2に基づき譲渡又は提供する者が交付するとなっている。また、SDSに記載するGHS分類は事業者の責任において危険及び有害性にもとづき実施判断されるべきものであり、LPガス含有成分や濃度及びGHS分類やSDS記載方法を熟知した供給者が作成する。
安衛法第57条の2に基づき文書を交付するSDSの通知対象者は、供給者よりLPガスを譲渡又は提供を受けて取扱う事業所・事業者及び主として業務用・工業用に使用する消費者である。具体的な通知対象者の事例を以下に示す。
ただし、主として一般消費者の生活の用に供される場合は除かれるが、業務用・営農用・個人事業者等からの要望など必要に応じて利用することも可能とする。
① 高圧ガス保安法適用LPガス製造、販売(同業者への販売含む)又は消費事業者
② 高圧ガス保安法第3条(適用除外)に該当するLPガス消費事業者
③ 液化石油ガス法適用LPガス販売事業者
④ 液化石油ガス法適用LPガス業務用消費者(個人の業務用消費者除く)
⑤ LPガスを燃料とする自動車を使用する運送会社
⑥ ガス事業法適用事業者
⑦ 労働安全衛生法第31条の2(注)適用されるLPガス製造又は取扱う設備の改造その他作業を実施・請負う事業者
(注) 安衛法第31条の2及び安衛則第662条の3・第662条の4では、法定設備の改造、修理、清掃等で当該設備を分解する作業又は当該設備の内部に立ち入る作業する場合、注文者は請負人に作業開始前までに文書交付しなければならない。
SDSの標準様式は、JIS Z 7253:2019に基づいて作成した。記載項目については下記16項目とし、厚労省モデルSDSや政府GHS分類を参考に知り得る情報で確認の取れる事項について記載した。
① 化学品及び会社情報
② 危険有害性の要約
③ 組成及び成分情報
④ 応急措置
⑤ 火災時の措置
⑥ 漏出時の措置
⑦ 取扱い及び保管上の注意
⑧ ばく露防止及び保護措置
⑨ 物理的及び化学的性質
⑩ 安定性及び反応性
⑪ 有害性情報
⑫ 環境影響情報
⑬ 廃棄上の注意
⑭ 輸送上の注意
⑮ 適用法令
⑯ その他の情報
SDSの標準様式は、日団協にて作成した次の3種類とする。各様式と主たる違いである化学品名と§3:組成及び成分情報は下記の通りとする。
「プロパン・オートガス」用 … プロパン 90%以上~100%未満(注)
「ブタン・オートガス」用 … ブタン 90%以上~100%未満(注)
「ミックスガス・オートガス」用 … 液化石油ガス100%(プロパン・ブタンの混合物)(注)
(注)ミックスガス・オートガス用は集約されているため、供給しているLPGの成分構成に応じ、添付表の該当品欄に〇印で明示するとともに、交付記録にも反映させる。
なお、オートガス成分構成が夏冬で異なる場合、添付表の当該2つの該当欄に、「夏」「冬」と明示する。
(注)LPガス中のSDS通知対象物質及び含有量は、各様式の§3:組成及び成分情報の参考情報又は添付資料として各SDSに明記する。
標準様式は、ガイドラインに基づき現在国内で流通する一般的なLPガスの組成及び成分を元に作成されたものである(プロパン中のプロピレンは、安衛法に準拠し10wt%未満とした)。
このLPガスを譲渡又は提供する際、供給者は成分及び含有濃度等について標準様式の記載内容が一致又は範囲内に該当する場合は会社情報等の連絡先を変更してそのまま使用することができる。成分及び含有濃度等に差異がある場合は、供給者はその内容に応じてGHS分類の再実施やSDSの記載内容の修正をおこなわなければならない。
たとえば、LPガス中の1,3-ブタジエン含有量が0.1wt%以上の場合は安衛法の表示・文書交付対象物質となるので、供給者は混合物としてのGHS分類を再実施し、標準様式の「危険有害性の要約」等、必要個所の追記又は変更等を行い使用するとともに、譲渡又は提供する容器に再実施したGHS対応のラベルを貼付等することが必要となる。
標準様式は、日本国内にて使用することを前提(安衛法に準拠)としたものであり、国外向けについては、別途各供給者にて作成することとする。
SDSは、以下の目的のために作成されたものであるので、この目的に適するように使用・普及を図るものとする。
① 製品の供給者は、労働災害防止のため化学物質の危険性又は有害性及び安全のための予防措置等を含めた安全に関する情報資料を受領者に提供する必要がある。
② 受領者は、製品の危険又は有害な性質等について、労働者及びその他関係者の理解を深めるとともに、製品に関する適切な取り扱いを促進し、もって労働災害等の防止を図る必要があり、これに資するための情報資料として活用するものが必要である。
③ 事業者は、LPガスを労働者に取り扱わせるときは、SDS等を常時作業場の見やすい場所に掲示し、又は備え付ける等の方法により労働者に周知するものとする。(作業場内の表示)
供給者は、供給開始時までに受領者(供給先)の責任者に対してSDSを交付することとする。なお、交付したSDSの内容に変更が生じた場合は、改めて交付する。
SDS交付時は、供給者において次の事項を記録する。
① 交付年月日
② 交付先名称
③ 交付者氏名